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保護者の方へ

不登校の初期対応:やってしまいがちなこと・やってほしいこと

通信制高校スペシャリスト|kokone編集部 編集長|DAEG, Inc.
2026年7月24日
監修者コメント
エジソン教育研究所 所長|エジソン教育研究所
20年近く不登校に悩む親子に寄り添い、たくさんの人生の大逆転に立ち会ってきたエジソン教育研究所 所長。不登校問題から社会人のリスキリングまで、教育視点で幅広くアプローチしている。
暖かな日差しが差し込む居間。ソファにクッションとブランケットが置かれ、脇に本と植物がある

子どもが学校を休み始めたとき、多くの保護者は「どうすればよいのか」と強い焦りを感じます。そのときとった対応が、後になって「あれが逆効果だったかもしれない」と感じることも少なくありません。

この記事では、不登校の初期に保護者がとりやすい行動パターンを整理し、代わりにどんな姿勢や言葉かけが助けになりやすいかをお伝えします。ここに書いていることは「正解と不正解」ではなく、多くのケースで見られる傾向の整理です。お子さんの状況に合わせて、参考にしていただければ幸いです。

なお、不登校の定義や背景を先に確認したい方は、不登校とは?文科省の定義とよくある誤解もあわせてご覧ください。

この記事の要点

  • 「登校を強く促す」「原因をすぐ追求する」といった対応は、子どもが休める余地を狭めやすい傾向がある。
  • 初期にまず大切なのは、休める環境をつくりながら安心を伝えること。
  • 保護者自身も焦りや不安を感じて当然。自責しすぎないことが、長い関わりには必要。

やってしまいがちなこと

以下に挙げるのは、愛情から出た行動であっても、子どもにとっては負担になりやすいパターンです。「これをしてはいけない」というルールではなく、「こういう反応は起きやすい」という傾向として読んでいただければと思います。

「なぜ行けないの?」と理由を問い続ける

子どもに「なぜ学校に行けないのか」を直接聞くことは、保護者としては自然な反応です。しかし、不登校になっている子どもの多くは、自分でも理由をうまく言語化できていません。繰り返し聞かれることで、「言えない自分がおかしい」「答えられなくて申し訳ない」と感じ、自己否定が深まりやすくなります。

「明日は行けるね」と励ます

「元気になってきたし、明日こそ行ってみよう」という言葉は、保護者からすると前向きな声かけです。しかし、子どもは「また行けなかったらどうしよう」というプレッシャーを毎晩抱えることになります。翌朝また行けなかったとき、自己嫌悪がより深くなるケースがあります。

「このままじゃ将来が心配」と話す

将来への不安は保護者として当然ですが、それを言葉にするタイミングには注意が必要です。子どもがまだ「今の自分を受け入れる」段階にあるときに将来の話を持ち出すと、「自分は将来どうにもならないのか」と追い詰められる場合があります。

学校の先生に「なんとかしてほしい」と求める

学校に任せることで解決しようとするのも自然な発想ですが、初期の段階では家庭での安心感が最優先です。先生が頻繁に家庭連絡をしたり、登校を促すメッセージを届けることが子どものプレッシャーになることもあります。

「友達はみんな行っているのに」と比べる

他の子どもとの比較は、子どもの自尊感情を下げやすいパターンです。「自分だけがおかしい」という感覚を強めてしまうことがあります。


助けになりやすいこと

では、代わりにどんな関わり方が助けになりやすいのでしょうか。以下もあくまで一般的な傾向であり、お子さんの状況に合わせてご判断ください。

まず「休んでいい」と伝える

「今は休んでいいよ」という言葉は、子どもにとって大きな安心になります。責められないこと、受け入れられていることが伝わるだけで、子どもは少し息ができるようになります。

最初の1〜2週間は、原因を探るよりも休める環境をつくることを優先する方が、多くの場合助けになります。

そばにいるだけでよい時間をつくる

話しかけなくても、同じ部屋にいて食事を一緒にとるだけ、好きなテレビを横で見るだけ——そういった「何もしない時間を共有する」ことが、子どもへの安心感につながりやすいです。

「何かあったらいつでも話せる」と一言添える

「話したくなったら聞くよ」と伝えておくだけで、子どもは追い詰められた感覚を持ちにくくなります。話を聞く際も、アドバイスや解決策より「そうだったんだね」と受け取るだけで十分なことが多くあります。

生活リズムをゆるやかに保つ

完全な昼夜逆転が続くと、回復に時間がかかることがあります。ただし、「早く起きなさい」という強制は逆効果になりやすいです。一緒に朝ごはんを食べるなど、自然なリズムを作りやすい行動から始めてみましょう。

保護者自身も誰かに話す

一人で抱え込んでいると、保護者自身も疲弊してしまいます。配偶者・信頼できる友人・地域の相談窓口など、保護者が話せる場所を見つけることも大切です。親が安定しているほど、子どもも落ち着きやすくなります。


「早く解決しなければ」と思わなくていい

不登校の回復には、一定の時間がかかることがほとんどです。最初の数週間は「よくならない」と感じる時期があっても、それは当然のことです。

保護者が「焦らず向き合える」状態でいることが、長い目で見ると子どもの助けになります。自分を責めすぎず、まず今週を一緒に乗り越えることを目標にしてください。


お子さんや保護者自身のご状況が深刻な場合

強い自責・希死念慮・自傷行為などが見られるときは、すぐに専門機関にご連絡ください。

  • 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省):0120-0-78310
  • よりそいホットライン:0120-279-338

よくある質問

Q. 子どもが「学校に行く」と言ったのに行けなかった。どう接すればよいですか?
A. 「行くと言ったのに行かなかった」という経験は、子ども自身が一番つらいものです。責めるより「行こうとしたんだね」と受け止めることが、次の一歩につながりやすいです。何度か繰り返しても、焦らず見守ってください。

Q. 担任の先生に状況を話すべきですか?
A. 話すことをお勧めします。現在の状況を伝えるだけで、先生からの電話や訪問などの頻度を調整してもらえる場合があります。「子どもがプレッシャーを感じているので、しばらく連絡を控えてほしい」という希望も伝えられます。

Q. 何ヶ月も休んでいます。まだ初期対応を続けるべきですか?
A. 休んでいる期間が長くなってきたら、段階に合わせた関わり方を考えていく必要があります。不登校対応の5段階フレームワークを参考にしながら、今のお子さんの状態を見直してみてください。


監修:土屋マサヨシ氏(エジソン教育研究所所長)

20年近く不登校に悩む親子に向き合ってきた教育の専門家。著書に『30分で不登校がわかる』シリーズがある。

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