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約35万人なのに「10万人」と思われている――不登校の実態と社会の認識ギャップを調査データで見る

通信制高校スペシャリスト|kokone編集部 編集長|DAEG, Inc.
2026年8月19日
不登校に関する意識調査2026 メインビジュアル

「約35万人」を正しく知っている人は10人に1人だけ

文部科学省が2025年10月に公表した「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、2024年度の不登校児童生徒数は353,970人(約35万人)にのぼり、12年連続で増加・過去最多を更新しました。

この数字がどれだけ広く知られているか。株式会社明光みらいが2026年8月に実施した「不登校に関する意識調査2026」(全国10代〜60代以上の男女500人対象・インターネット調査)から、興味深い実態が浮かび上がっています。

正しい実数(約35万人)を認識していた人は、わずか9.8%。 回答者の78.8%が「25万人以下」と認識しており、最も多かった回答は「約10万人」(30.0%)でした。実際の人数は、多くの人がイメージしている数の3〜4倍規模に達しています。


中学生では「15人に1人」が学校を休んでいる

35万人という数字を別の角度から見ると、中学生に占める割合は6.79%、つまり1クラスに2人前後の割合です。「自分とは関係のない話」ではなく、多くの家庭が直面しうる身近な現実です。


「甘えやわがまま」と思う人は少数派

同調査では、学校に行きにくい状況を「どのようなイメージで捉えているか」についても質問しています。

回答内容 割合
誰にでも起こりうる 68.0%
心が疲れていて休養が必要 49.4%
将来が不安 40.0%
本人の甘えやわがまま 9.2%

「甘えやわがまま」という回答は9.2%にとどまり、全体の約7割が「誰にでも起こりうる」と捉えています。調査データからは、当事者を否定的に見る視点は少数派であることが示されています。


支援制度の認知に大きな差がある

一方で、「理解は広がりつつある、でも制度を知っている人は少ない」という現状も明らかになっています。

支援制度・学習方法 認知率
フリースクール 76.6%
教育支援センター 35.6%
自宅学習・出席扱い制度 26.2%
学びの多様化学校 25.4%

フリースクールは広く知られている一方、実際に保護者が活用できる「自宅学習・出席扱い制度」や「学びの多様化学校」の認知率は25〜26%台にとどまっています。注目すべきは、不登校を経験した保護者でも、出席扱い制度の認知率が33.3%にとどまっている点です。


「前向きな選択」として捉える保護者が増えている

在籍校以外の学びの場(フリースクールや通信制高校など)についての認識を聞いた設問では、「前向きな選択」が45.2%、「やむを得ない選択」が40.0%という結果でした。

約半数が「前向きな選択」と受け止めており、多様な学びの場が「別の道」として社会に受け入れられつつある傾向が読み取れます。


編集部のポイント――保護者として知っておきたい3つのこと

1. 規模感の認識を更新する

「不登校はまれなこと」という感覚は、今の実態とズレがあります。小・中・高校合わせて約35万人(文科省・令和6年度調査)というのは、自治体や学校が対応策を整備しつつある規模です。「相談しにくい特別な事態」ではなく、制度として支援が用意されている領域として捉えると、情報収集の入り口が広がります。

2. 支援制度は「知らないと使えない」

今回の調査が示すように、出席扱い制度・学びの多様化学校といった公的な仕組みは、まだ広く知られていません。学校や教育委員会との面談時に「どのような選択肢があるか」を積極的に尋ねることが、現実的な第一歩になることがあります。具体的な制度の適用条件は学校・自治体によって異なるため、直接の確認をおすすめします。

3. 通信制高校・サポート校も選択肢のひとつ

中学生の場合は義務教育期間ですが、高校段階では通信制高校やサポート校が「在籍しながら自分のペースで学ぶ」環境として機能しているケースがあります。進路の選択肢を広げる観点から、どのような学校があるかを把握しておくことが、選択の幅を作ります。


調査概要

  • 調査名: 不登校に関する意識調査2026
  • 実施: 株式会社明光みらい(調査監修: 不登校専門家・小幡和輝)
  • 対象: 全国10代〜60代以上の男女500人
  • 調査期間: 2026年8月
  • 方法: インターネット調査
  • 不登校児童生徒数の出典: 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(2025年10月29日公表)

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